道行く女の子に羨望と尊敬のまなざしを

ただ、何も考えずに性的嗜好で女の格好をしているわけじゃない。いつだって、街行く女の人のファッションチェック、メイクや眉の形なんかをチェックして「かわいい」「かわいくない」を見てるのは、下半身の欲望からなんかじゃない。
「どうやったら彼女らに勝つことができるのか」
「どうしてあの人たちはあんなにかわいいのか」
そういう目で見てたりする。マジで服とかを揃えだしてそろそろ半年くらいたつけれど、だんだんと街を歩く自身みたいなものは生まれてきた。プライドらしきものも持ち出してきた。でも、どうしてもまだまだ綺麗な女の人には勝てる気がしない。
当然だ。
あの人たちは、俺の何倍、何十倍もの長い間ファッションやメイクと向き合ってきて、普段から「自分をかわいく見せる方法」について意識したり、新宿や渋谷のファッションビルの中を歩いてきている。アマチュア囲碁好きが「碁会所でチャンピオンになった」と言ったところで、プロの棋士に通用するわけがない。俺の考えなんて浅はかで甘くて、プロどもに比べたら雑魚でしかない。「男か女かわからない」というセリフを出されて、ショックを受けるのなんて100億年早い。もちろん、同じ土俵で勝てるわけがないのだ。なんとか、必死にくらいつく。そんな日常。